河岡義裕, 木村良一

鳥インフルエンザウイルスについての自分の研究論文の公表が一時、米国政府によって差し止められた。「テロリストが生物兵器に悪用する恐れがある」というのがその理由だったが、再検討した米国政府は一転して公開を認め、問題は一件落着した。しかし、後味の悪さは残る。 掲載差し止めはわれわれにとって意外でした。なぜなら6年前にはNIHが鳥のインフルエンザが人の間で大流行を起こす可能性があるのでその研究をやるように推奨していた。WHOも3年前から勧めていた。だからウイルス学者は研究を続けてきました。 今回の問題はNSABBで非公開で議論されてきたが、なぜかその議論の中身がすべてメディアにリークされていました。これは極めて政治的な手法です。 本来、私の名前など出るはずのものではない。論文が公表されていないのですから。それなのに複数の大手メディアからすぐに私にコンタクトがありました。